~結婚と離婚を「証人」と「親権」から考える ~

誰にでも祝福される「結婚」によって、新しい家族が生まれます。そして、配偶者の親族も含めた「法律上の家族(親族)」のつながりが広がっていきます。
結婚は単なる同居や関係の開始ではなく、「婚姻」という法律上の身分関係の成立を意味します。これにより、夫婦は互いに扶養義務を負い、また相続などの場面でも重要な意味を持つ存在となります。
婚姻届には、親族や友人など身近な人が「証人」となります。いわば、「祝福の証人」です。その署名は、「この結婚が確かに当事者の意思によるものである」という社会的な確認でもあります。
やがて子どもが生まれると、父母にはその子を育てる責任が生じます。法律上も、父母が共同して親権を持ち、子どもの利益のために監護・教育を行う立場になります。つまり結婚とは、単に二人の関係にとどまらず、「家族」という法的な枠組みと責任を生み出す行為といえます。
一方で、離婚をすると家族の形は大きく変わります。夫婦関係は終了し、本人と配偶者の親族(姻族といいます)との関係も、原則として解消されます。法律上も、「婚姻によって生じた身分関係」はここで一区切りを迎えます。その意味で離婚は、単なる関係の解消ではなく、家族という法的関係の再編成ともいえる出来事です。
離婚届にも証人2名の署名が求められますが、その性質は結婚届のときと異なり、必ずしも親しい人である必要はありません。知られたくないという事情などから、第三者に依頼するケースも多く、行政書士などの専門職が証人となることもあります。いわば、「訣別の証人」ともいえる存在です。
ここにも、結婚との性質の違いが表れています。そして、これまで共同で行っていた親権は、どちらか一方が持つ「単独親権」へと変わるのが、これまでの原則でした。これは、離婚後の子どもの生活を安定させるため、意思決定の主体を一人に定めるという考え方に基づいています。
では、ここで一つ考えてみてください。
離婚によって家族の範囲は変わります。しかし、子どもにとっての「家族」はどうなるのでしょうか。
親にとっては関係が終わったとしても、子どもにとっては父も母も、かけがえのない存在であることに変わりはありません。
この問いに対する一つの答えが、今回の法改正です。2026年(令和8年)4月1日の法改正により、離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」という選択肢が加わります。これは、夫婦という関係が終わった後も、親としての責任はどのように分担し、関わり続けるべきかという視点から導入された制度です。
「結婚では当たり前だったことが、離婚後は“ルール”になります。」
【免責事項】
本記事の内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。記載には十分配慮しておりますが、法改正等により最新でない可能性があります。
具体的なご相談やお手続きは、当事務所までお気軽にお問い合わせください。
また、掲載内容に誤りや不適切な表現等がございましたら、お知らせいただけますと幸いです。内容を確認の上、必要に応じて速やかに対応いたします。